脱毛のクリニックを調べていると、「月々〇円」「初回限定」といった目を引く表示がたくさん並んでいます。手頃に見えて申し込んだものの、あとから「思ったより高くついた」「途中で通えなくなった」と後悔する人も少なくありません。
後悔を防ぐ鍵は、月々の金額ではなく、完了までの総額と契約の条件で比べることです。この記事では、総額の考え方、プランと見積もりの読み方、無理なく続けるための予算の立て方、解約のルールまでを、クリニックの公式サイトと公的機関の情報をもとに整理します。
この記事のまとめ
- 「月々〇円」は多くが回数コースの分割払いの目安。一括払いの総額で比べる
- 「初回契約限定」「割引前の料金」など価格の条件を確認する
- 「追加費用なし」でも麻酔代は別のことがある。対象の項目を確認
- 必要な回数や照射の方法は医師の診察で確認する
- 1か月超・5万円超の契約はクーリング・オフ(8日以内)と中途解約のルールがある
※料金や条件はクリニックによって異なります。詳細は本文で。
この記事の書き方について
当サイトでは、利用者の体験談や口コミを掲載していません。医療に関する広告では、患者の主観や伝聞にもとづく体験談や、加工・修正した術前術後写真などが医療法で禁止されており、厚生労働省は2025年8月15日付の通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号)でこれを改めて示しています。(厚生労働省の通知本文)
この記事は、医療機関で行う医療脱毛の費用を前提にしています。クリニックの情報は2026年10月8日時点の公式サイトの記載です。記事の作り方はコンテンツ制作方針に記載しています。
脱毛の費用は「完了までの総額」で考える

脱毛は1回で終わるものではなく、ある程度の回数と期間をかけて進めるものです。そのため、1回あたりの料金や月々の金額だけを見て決めると、全体の費用を見誤りやすくなります。まずは、完了までにかかる総額をつかむことが出発点です。
「月々〇円」だけでは見えない総額
広告やウェブサイトの「月々〇円」は、多くの場合、回数コースを分割払いにしたときの目安です。たとえばリゼクリニックの全身脱毛プランも、「月々〇円×24回」という分割の目安と、一括払いの総額を並べて表示しています(リゼクリニック公式サイト)。比べるときは、一括払いの総額と、分割にした場合の手数料を確認しましょう。
- コースの回数と、その総額(一括払いの場合)はいくらか
- 分割にした場合、手数料を含めた支払総額はいくらか
- コースの回数で満足できなかった場合、追加の1回はいくらか
- 総額に含まれない費用(麻酔代など)はあるか
月々の金額が小さく見えても、支払う回数を掛け合わせると、総額は大きな金額になります。比べるときは、必ず総額に直して考えましょう。
「追加費用は一切かからない」と案内しているクリニックでも、対象になる項目が決まっています。リゼクリニックは、コース期間中のカウンセリング料・初診再診料・予約変更キャンセル料・シェービング代・打ち漏れ再照射・肌トラブル治療費を無料としていますが、麻酔を使う場合は別途費用がかかります。シェービング代の無料も、剃り残しに対するサービスです(リゼクリニック公式サイト)。
自分にとっての「ゴール」を決めておく
費用を考えるうえでは、どの程度の状態を目指すかも大切です。「ほとんど生えてこない状態にしたい」のか、「自己処理が楽になればいい」のかによって、必要な回数や期間、費用は変わります。
- 目指す状態:ほとんど生えてこない状態か、毛量を減らして自己処理を楽にしたいか
- 期間:どのくらいのペースで通えて、いつまでに終えたいか
- 痛み:痛みへの不安はどの程度か。麻酔を使いたいか(麻酔代も予算に入れる)
- 予算の上限:脱毛に使える総額はいくらか
これらを整理しておくと、カウンセリングで「自分の場合はどのコースが合うか」を相談しやすくなります。
リゼクリニック
全国29院(提携院を含む)、3種類の脱毛機を導入。初診料・予約変更料・キャンセル料は0円。
※2026年10月15日時点の公式サイト表示。自由診療(保険適用外)。主なリスク・副作用:赤み・ほてり、毛嚢炎、硬毛化、やけど、色素沈着など。
プランの選び方と、見積もりの読み方

同じ部位の脱毛でも、プランや支払い方法によって総額や続けやすさは変わります。ここでは、主な料金の形と、見積もりで確認したい項目を整理します。
主な料金の形と支払い方法
| 形 | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 回数コース | 5回・7回など、決まった回数をまとめて契約する。1回ずつより1回あたりの料金が安く設定されていることが多い | コースを終えても満足できない場合は、追加の回数が必要になる。有効期限があるか確認 |
| 都度払い(1回ごと) | 1回ずつ支払う。まとまった支払いが不要で、試しに始めやすい | 1回あたりの料金はコースより高くなりやすい。割引の対象外のことがある |
| 分割払い・医療ローン | 回数コースの総額を分割して支払う。「月々〇円」の表示の多くはこれ | 手数料がかかる場合は、支払総額が一括払いより高くなる。審査が必要なことがある |
「確実に終えたい」「通える見通しが立っている」なら回数コース、「まずは様子を見たい」なら都度払い、というように、自分の状況に合わせて選びましょう。
見積もりで確認したい項目
- 価格の条件:キャンペーン価格や割引の対象、適用条件を確認します。たとえばリゼクリニックの全身脱毛プランの価格は「初回契約限定」で、「すべて割引前の料金」と表示されています(リゼクリニック公式サイト)。
- 総額に含まれない費用:麻酔代、剃り残しの剃毛料、コース終了後の追加料金など。「すべて込み」とうたっている場合も、対象の項目を確かめます。
- キャンセル規定:予約の変更・キャンセルに料金がかかるか、締切後のキャンセルが1回分の消化になるか。たとえばメンズルシアは、施術予約を前日18時以降にキャンセルすると1回分の消化になるとしています(キャンセルポリシー)。
- 有効期限と解約の条件:コースを使い切れる期限と、途中で解約する場合の返金の計算方法。リゼクリニックは有効期限を5年とし、中途解約はいつでも可能で、指定の手数料を除く残金を返金するとしています(リゼクリニック公式サイト)。
見積もりを受け取ったら、その場で契約を決める必要はありません。持ち帰って、複数のクリニックの条件を比べてから判断しましょう。
必要な回数と期間は、医師の診察で確認する
照射の間隔は、毛の生え変わる周期(毛周期)に合わせてあけるのが基本で、月に何度も通うものではありません(医療脱毛の照射間隔の記事)。通えるペースと必要な回数から、完了までの期間のおおよその見通しを立てておきましょう。
ただし、自分の毛や肌の状態でどのくらいの回数が必要か、どのように照射するかを判断するのは医師です。厚生労働省は、医師などの資格を持たないカウンセラーが、患者の状態に応じて治療方法を提案・決定することは医師法違反になると示しています(厚生労働省の通知本文)。料金の相談とは別に、医師の診察を受けられるかも確認しましょう。

予算内で続けるための計画の立て方

費用の全体像がわかっても、毎月の支払いが生活を圧迫すると、途中で続けられなくなってしまいます。無理なく続けるための計画を立てておきましょう。
毎月の予算を確保する
- 固定費を見直す:通信費や使っていないサブスクリプションなど、毎月出ていく固定費を見直すと、継続的な予算を確保しやすくなります。
- 娯楽費の一部を回す:外食や趣味の支出の一部を、脱毛の予算に回す方法です。
- まとまった支払いは臨時収入で:ボーナスなどの臨時収入は、一括払いや頭金など、まとまった支払いに充てる方法があります。
部位の優先順位と支払い方法を決める
脱毛したい部位を書き出し、優先順位をつけます。一度にすべての部位を契約するのが難しければ、気になる部位から始め、予算に余裕ができてから追加する方法もあります。ただし、部位をあとから追加すると割高になる場合もあるため、見積もりで比べましょう。
一括払い、分割払い、医療ローンのどれにするかを決めます。分割払いや医療ローンは月々の負担を平準化できますが、手数料がかかる場合は支払総額を確認してから判断します。
毎月の支払日と次の予約日を、カレンダーや家計簿アプリに登録しておくと、支払いの遅れや予約の取り忘れを防げます。
計画は一度立てて終わりではありません。収入や生活の変化に合わせて、ときどき見直しましょう。
予約を無駄にしないための注意点
セルフケアで脱毛の効果そのものが上がるわけではありません。ただし、当日に照射できなかったり、キャンセル扱いになったりすると、予定どおりに進まず、通う期間が延びてしまいます。予約を無駄にしないために、次の点に気をつけましょう。
- 日焼けを避ける:日焼けした肌には照射できないことがあります。脱毛期間中は、日傘や衣類、日焼け止めで紫外線対策をしましょう。
- 指定どおりに剃っておく:多くのクリニックでは、施術前に自分で剃っておくよう案内しています。リゼクリニックのシェービング代の無料も、剃り残しに対するサービスです。毛抜きやワックスで抜くのは避けましょう。
- 肌荒れや傷を防ぐ:肌荒れや傷がある部分は、照射できないことがあります。保湿を心がけ、気になる症状があればクリニックに相談しましょう。
- キャンセル規定を守る:締切後のキャンセルや遅刻が1回分の消化になるクリニックもあります。予定が変わりそうなときは、早めに連絡しましょう。
施術の前後に気になることがあれば、施術を受けるクリニックに相談してください。肌の状態に合わせた照射の判断は、医師の指示のもとで行われます。
解約のルールと、見直しのタイミング
コース契約の前に知っておきたい解約のルール
医療脱毛のコース契約には、特定商取引法のルールが適用される場合があります。同法では、脱毛などの美容医療のうち、期間が1か月を超え、金額が5万円を超える契約を「特定継続的役務提供」として規制の対象にしています(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。
- クーリング・オフ:法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録で契約を解除できます。
- 中途解約:8日を過ぎても、将来に向かって契約を解除できます。美容医療の場合、施術開始前なら事業者が請求できる額の上限は2万円です。施術開始後は、受けた施術の対価に加えて「5万円または契約残額の20%のいずれか低い額」が上限です。
契約書面の中途解約の欄は、サインする前に目を通してください。困ったときは消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります。
見直しを考えたいタイミング
- 収入や家計が大きく変わったとき:無理に続けるより、支払い方法の変更や中途解約を含めて、クリニックに相談しましょう。
- 引っ越しや妊娠・出産などで通いにくくなったとき:有効期限の長さや、ほかの院で予約できるかによって、選べる方法が変わります。
- コースの残りが少なくなったとき:今の状態で満足できているか、追加が必要かを考えます。追加する場合の1回の料金も確認しておきましょう。
相談するときは、今の状況と希望を具体的に伝えましょう。解約や変更の条件は、口頭の説明だけでなく、契約書の記載で確認することが大切です。
費用についてよくある疑問と落とし穴
「安い」と「総額が安い」は違う
1回あたりの料金が安くても、必要な回数が多くなれば、最終的な総額は高くなります。比べるときは、次の項目をそろえて計算しましょう。
- コースの総額(一括払い)
- 分割にした場合の手数料
- 麻酔代など、総額に含まれない費用
- コース終了後に追加する場合の1回の料金
キャンペーンに申し込む前に確認したいこと
キャンペーンや割引は、検討を始めるきっかけにはなります。ただし、対象になる条件と、キャンペーン後の料金を確認してから判断しましょう。
- キャンペーンの対象(初回契約のみか、特定の部位やコースのみか)
- 他の割引と併用できるか
- キャンペーン価格で契約した場合、解約や変更に制限はないか
- 契約書を確認するとき、特にどこを見ればいいですか?
-
総額と支払い方法(分割の場合の手数料)、コースの有効期限、解約の条件と返金の計算方法、予約のキャンセル規定、施術の内容(部位・回数・保証の範囲)を重点的に確認しましょう。あいまいな記載があれば、その場で質問して具体的な内容を確かめます。
- 「追加費用は一切かかりません」と言われました。そのまま信じて大丈夫ですか?
-
「追加費用なし」の対象になる項目を確認しましょう。カウンセリング料やキャンセル料は無料でも、麻酔代は別料金というクリニックもあります。どの費用が無料で、どの費用がかかるのかを、公式サイトや契約書の記載で確かめておくと安心です。
医療脱毛の主なリスク・副作用
医療レーザー脱毛は、レーザー光線などの強い光を毛根部分に照射し、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為です。厚生労働省は2001年11月8日付の通知(医政医発第105号)で、用いる機器が医療用かどうかを問わず、この行為を医師免許を持たない者が業として行えば医師法第17条に違反するとしています(厚生労働省の通知本文)。料金の安さだけで選ばず、医療機関で医師の管理のもとで行われているかを確認しましょう。
国民生活センターは2017年5月11日、脱毛施術による危害の相談が約5年間で964件寄せられたと公表しました。同センターのアンケートでは、脱毛で症状が出た人のうち7割以上が、事前にリスクの説明を受けていなかったと回答しています(国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」)。肌トラブルが起きたときの診察や治療の費用が無料かどうかも、契約前に確認しておきましょう。
リゼクリニック
全国29院(提携院を含む)、3種類の脱毛機を導入。初診料・予約変更料・キャンセル料は0円。
※2026年10月15日時点の公式サイト表示。自由診療(保険適用外)。主なリスク・副作用:赤み・ほてり、毛嚢炎、硬毛化、やけど、色素沈着など。
出典
- 厚生労働省「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」平成13年11月8日 医政医発第105号 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6731
- 厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」令和7年8月15日 医政発0815第21号 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9325
- 独立行政法人国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」2017年5月11日 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170511_1.pdf
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」2026年10月8日閲覧 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
- リゼクリニック公式サイト(料金・全身脱毛プラン)2026年10月8日閲覧 https://www.rizeclinic.com/plans/
- メンズルシア公式サイト(キャンセルポリシー)2026年10月8日閲覧 https://mens-lucia.com/cancel-policy/
