2026年8月18日、株式会社MICIN(マイシン)が発表した調査によると、BMI25以上の肥満の人を対象にしたアンケートで、肥満症の診断基準を満たす可能性がある人のうち、約9割が医師の指導による減量治療を経験したことがないことが明らかになりました。肥満症は医学的な治療対象であり、放置すると健康リスクを高める可能性がありますが、治療の選択肢に結びついていない実態が浮き彫りになりました。
調査の概要と肥満症とは

この調査は、BMI25以上の20〜69歳の男女500名を対象にインターネットで実施されました。調査結果からは、肥満に悩む人の現状と、医療ダイエットへの高いハードルが示されています。
- 調査対象: BMI25以上の20〜69歳男女
- 調査方法: インターネット調査
- 有効回答数: 500名
- 調査時期: 2026年7月17日〜20日
- 出典: MICIN(マイシン)
調査で明らかになった肥満症の実態
調査結果によると、回答者のうち約3割(30.8%)が現時点で「肥満症」の診断基準を満たす可能性があるとされました。さらに、全体の5割超(51.4%)がこれまでに一度は肥満症の診断基準に該当した経験があると回答しています。これは、肥満状態にある多くの人が、単に体重が多いだけでなく、健康上のリスクを抱える「肥満症」の状態に移行している、あるいは移行した可能性があることを示しています。
肥満症とはどのような状態か?
肥満症は、BMIが25以上の「肥満」状態に加えて、以下のいずれかの条件を満たす場合に診断され、医学的な減量治療の対象となります。
- 肥満に関連する11種の健康障害(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など)のいずれかがある。
- 内臓脂肪型肥満(腹囲: 男性85cm以上、女性90cm以上)の疑いがある。
肥満症は、心臓病や脳卒中などの重篤な病気へと発展するリスクが高まることが知られており、医療的な介入が必要な状態です。しかし、今回の調査では、この肥満症の診断基準を満たす人のうち、驚くべきことに約87%が医師の診察を伴う減量を経験したことがないという結果が出ています。
自己流ダイエットの限界と失敗の実態

ダイエットに挑戦する多くの人が、その過程で挫折やリバウンドを経験しています。今回の調査では、BMI25以上の回答者のうち、ダイエット経験者の約6割が減量に成功しておらず、その実態が明らかになりました。
調査によると、ダイエット経験者の中で最も多かった回答は「ダイエットの経験があり減量したがリバウンドした」で42%にのぼりました。さらに「ダイエットをしたが減量できなかった」という回答も17.2%あり、合わせると約6割がダイエットに失敗またはリバウンドを経験している計算になります。これは、自己流のダイエットが思うように成果につながらない現実を反映しています。
ダイエット経験者500名のうち、以下のような結果となりました。
- 減量したがリバウンドした: 42.0%
- ダイエットしたが減量できなかった: 17.2%
- つまり、約59.2%が減量に成功していない状態
また、人々が試したダイエット方法にも傾向が見られました。最も多く試されたのは「有酸素運動」で53.5%、次いで「筋トレなどの無酸素運動」が48.4%でした。多くの人が運動によるカロリー消費や筋肉量増加を狙った方法を選択していることがわかります。しかし、これらの方法は継続に時間と労力が必要であり、忙しい日常生活の中で習慣化することが難しい側面があります。その結果、一時的に体重が減っても、生活習慣が元に戻ることでリバウンドしてしまうケースが多いと考えられます。
自己流のダイエットがうまくいかない理由は、単に意志の弱さだけではないかもしれません。調査結果からは、多くの人が効果が期待できるとされる方法を試しているものの、それを長期間継続するためのサポートや、個人の体質・生活スタイルに合った適切なアプローチが不足している可能性が示唆されます。
医療ダイエット未経験の背景にある通院のハードル
調査では、肥満症の可能性がある人の多くが、医療による適切な減量指導を経験していない現状も明らかになりました。肥満症の診断基準を満たす人のうち、87パーセントが医師の診察を伴う減量治療を未経験と回答しています。
これは、肥満が健康リスクを伴う「症」として認識され、治療が必要な状態であっても、多くの人が自己流のダイエットに頼り、医療機関への受診に至っていないことを示しています。
医師の指導による減量を試さない理由を複数回答で尋ねたところ、以下のような回答が上位を占めました。
- 費用が高いから(31.4パーセント)
- 通院するのが面倒だから(25.7パーセント)
- 通院する時間がないから(21.0パーセント)
- 近所に適した医療機関が無いから(18.4パーセント)
- 何科を受診すればよいかがわからないから(17.8パーセント)
この結果から、医療ダイエットに踏み出せない背景には、費用面だけでなく、通院にかかる時間や手間、適切な医療機関を見つける情報の壁が大きく影響していることがわかります。特に「何科を受診すればよいかわからない」という回答は、肥満症が専門的な治療対象であることへの認知不足も反映しているかもしれません。
多くの人が健康リスクを抱えながらも医療アクセスに課題を感じている現実は、従来の対面診療だけではカバーしきれない課題があることを示唆しています。この調査は、株式会社MICIN(マイシン)が実施したものです。
産後に感じる痩せづらさとその背景

出産後の体型の変化や、それに伴う痩せづらさは、多くの女性が感じる悩みのひとつです。今回の調査では、その実感が数字として明確に示されました。出産経験のある肥満の女性のうち、79.2%が「産後に痩せづらさを感じている」と回答しています。これは、産後のホルモンバランスの変化や生活リズムの変化が、減量に影響を及ぼしている可能性を示唆しています。
出産経験のある肥満女性のうち、産後の痩せづらさを「とても感じる」は45.0%、「少し感じる」は34.2%で、合計79.2%が実感しています(MICIN調べ)。
さらに、こうした産後の痩せづらさに対処するために行ったダイエット方法を尋ねたところ、1位は「有酸素運動」(36.5%)、2位は「糖質制限ダイエット」(27.0%)でした。一方で、医師の診察を伴う減量治療を経験した人は、注射薬の有無を問わず、いずれも2.7%に留まりました。これは、出産後という特別な時期においても、適切な医療サポートに繋がらず、自己流の対処に頼っている人が多い現状を浮き彫りにしています。
また、体重増加の背景を尋ねた質問では、出産経験者に限定して集計すると、最も多かった回答は「更年期や加齢によるホルモンバランスの変化で体重が増えた」(44.1%)でした。ライフステージの変化に伴う身体の変化が、体重管理に大きな影響を与えていることがわかります。
産後は、ホルモンバランスの急激な変化や育児による生活リズム・睡眠時間の変化、運動機会の減少など、体重が増えやすく減りにくい要因が重なります。こうした時期の減量は、単なる「食事制限」や「運動」だけでは難しいケースも少なくありません。身体の変化を理解し、無理のないペースで取り組むことが重要です。
肥満症が治療対象となる理由と医療介入の選択肢

肥満症は、単に体重が多い状態ではなく、健康障害を伴う医学的な治療対象です。MICINの調査によると、肥満の人の5割超がこれまでに肥満症の診断基準に該当した経験があり、約3割は現在も治療対象となる可能性があることが示されました。このような現状があるにもかかわらず、多くの人が適切な医療介入を受けていないのはなぜでしょうか。肥満症を治療する必要がある理由と、考えられる選択肢について解説します。
肥満症を放置するリスク
肥満症は、肥満(BMI 25以上)に加えて、11種の健康障害のいずれかを持つか、内臓脂肪型肥満が疑われる状態です。健康障害には、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などが含まれます。これらは自覚症状がないまま進行し、心臓病や脳卒中など、命に関わる疾患へ発展するリスクを高めます。調査でも、肥満症の可能性がある人の多くが自己流のダイエットに頼り、医療介入を受けていない現状が浮き彫りになりました。肥満を単なる見た目の問題と捉えず、健康リスクとして認識することが大切です。
医療ダイエットとは?考えられる選択肢
医療ダイエットとは、医師の診断と指導のもとに行う減量治療のことです。自己流のダイエットとは異なり、科学的根拠に基づいた安全で効果的な方法が選択されます。MICINの調査では、肥満症の診断基準を満たす人の約9割が「医師の診察を伴う減量未経験」と回答しています。医療機関への受診をためらう理由として、「通院時間の確保」や「適切な医療機関のかかりにくさ」が上位に挙げられました。
- 生活習慣指導:医師や管理栄養士による食事・運動療法の個別指導です。個人の体質や生活リズムに合わせた持続可能な計画を立てます。
- 薬物療法:GLP-1受容体作動薬など、肥満症の治療に承認された薬剤を使用する方法です。食欲抑制や血糖値改善などの効果が期待できます。
- 行動療法:食行動や生活習慣のパターンを見直し、無理なく変えていくための心理的なサポートです。
特に、通院のハードルが高いと感じる人にとって、オンライン診療は有効な選択肢の一つです。自宅やオフィスからビデオ通話で診察を受け、処方薬の配送や継続的な生活指導を受けることが可能です。これにより、時間や場所の制約を気にせず、専門家のサポートを受けながら治療を継続できる環境が整いつつあります。肥満症の治療は、我慢や自己流ではなく、正しい知識と医療的サポートに基づいて進めることが成功への近道です。
調査結果から考える、これからの体重管理
MICINの調査結果は、多くの人が自身の体重管理に課題を抱えながらも、適切な医療介入には至っていない現状を浮き彫りにしました。自己流のダイエットに挫折し、肥満症のリスクを抱えながらも、医療機関への相談に踏み切れない理由には、時間や場所の制約、情報不足などが考えられます。これからの体重管理では、自己判断に依存するのではなく、客観的な状態の把握と、持続可能な方法の選択が重要といえます。
まずは状態を知ることから
調査では、肥満症の可能性がある人の約9割が医師による減量を経験したことがないことがわかりました。一方で、肥満症は放置することで健康障害を進行させる可能性があります。BMIが25以上で、健康診断で高血圧や脂質異常症などを指摘された経験がある場合、それは単なる「太りすぎ」ではなく、医学的な評価やサポートが必要な状態のサインかもしれません。まずは、ご自身の体重や健康診断の結果を、肥満症の診断基準と照らし合わせて確認することが、適切な対応への第一歩となります。
ダイエット継続のカギは「伴走」にある
調査では、ダイエット継続の妨げとして「モチベーションが続かない」という声も挙げられています。これは多くの人が経験する課題です。自己流で続けることが難しいと感じるなら、専門家のサポートを受けるという選択肢があります。医療機関では、科学的根拠に基づいた食事・運動指導だけでなく、定期的な経過確認や励ましといった「伴走」を通じて、目標に向かって継続する手助けをしてくれます。一人で悩まず、客観的なアドバイスを受けながら進めることが、長期にわたる成功への近道となるでしょう。
これからの体重管理では、「我慢」や「単発のダイエット」ではなく、自身の健康状態を理解した上で、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。調査結果は、医療的なサポートの意義を示すとともに、その選択肢をもっと身近に感じられる社会の必要性を訴えかけています。
関連リンク
出典: MICIN(マイシン
