2026年7月27日、クリニックフォアグループは、生理不順に対する女性の受診意識に関する調査結果を発表しました。調査によると、生理不順を自覚しながらも、医療機関を受診する意向がない、あるいは受診を先延ばしにしている女性が少なくない実態が明らかになりました。
生理不順を自覚していても受診しない女性が多い実態

生理不順は、病気が隠れているサインの可能性もあるため、適切なタイミングでの受診が重要です。しかし、同グループが2026年3月に実施した調査では、生理不順を認識していながらも、多くの女性が婦人科を受診していない実態が浮き彫りとなりました。
「生理不順を認識してから受診していない期間」について尋ねたところ、最多は「受診するつもりはない」で39パーセントに上りました。次いで、「1年以上」が43パーセントという結果でした(クリニックフォア調べ)。
つまり、生理不順と自覚している女性のうち、約4割がそもそも受診する意思がなく、さらに約4割は1年以上も放置を続けているという、二重の課題があることがわかります。
では、なぜ受診をためらうのでしょうか。その理由についての調査結果は、多くの女性が生理不順を「日常化」「軽視」している可能性を示しています。
- 「いつものことなので慣れてしまっている」42パーセント
- 「症状が我慢できるレベルだと思っている」39パーセント
- 「医療機関に行くのが面倒」33パーセント
「慣れてしまっている」「我慢できる」という回答が上位を占めたことは、生理不順の症状が日常化し、受診の必要性が十分に認識されていない可能性を示唆しています。また、「面倒」という回答からは、忙しい日常生活の中で受診のハードルを感じている様子もうかがえます。
生理不順とは?正常な周期と判断の目安

生理不順を自覚しながらも受診に踏み切れない背景には、「自分の周期が本当に乱れているのかわからない」という不安があるかもしれません。まずは、正常な生理周期の基準を知り、ご自身の状態を客観的に把握することが第一歩です。
厚生労働省事業「女性の健康推進室 ヘルスケアラボWEBサイト」によると、正常な生理周期は25日から38日程度とされています。また、毎月の周期の変動が6日以内であれば、一般的には正常な範囲内と考えられています。
この基準を超える場合、生理不順の可能性があります。具体的には、生理周期が24日以下の「頻発(ひんぱつ)月経」や、39日以上の「稀発(きはつ)月経」に該当する可能性があります。
生理周期の正しい数え方
ご自身の周期が正常範囲内かどうかを判断するためには、まず正確に数える方法を知る必要があります。生理周期の数え方は、意外と間違えやすいポイントです。
生理が始まった日を、その周期の「1日目」とカウントします。「終わった日」ではありませんので注意しましょう。
次の生理が始まったら、その「前日」までを1周期と数えます。例えば、1日目から次の生理が始まる前日までが28日であれば、生理周期は28日です。
1回のデータだけでは判断が難しいため、カレンダーや専用のアプリを使って、3か月分ほど記録を続けることをおすすめします。平均的な周期や、ばらつきの大きさを把握することができます。
生理不順を放置するリスクと病気の可能性

生理不順は、体調の一時的な乱れと軽視されがちですが、体の不調や病気のサインである可能性があります。放置した場合、その背景にある問題が進行したり、将来の妊娠に影響したりするリスクがあります。クリニックフォアグループの調査でも、多くの女性が「いつものこと」として受診を先延ばしにしていましたが、生理不順の原因を知ることは、ご自身の健康を守る第一歩です。
生理周期の乱れは、ホルモンバランスの崩れだけでなく、子宮や卵巣の病気による不正出血を生理と勘違いしているケースもあります。自己判断で放置せず、適切なタイミングで婦人科に相談することが大切です。
生理不順の裏に隠れる主な疾患
生理周期が短い「頻発月経」と長い「稀発月経」では、それぞれ考えられる原因が異なります。以下の表に主な原因をまとめました。
| 種類 | 定義 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 頻発月経 | 生理周期が24日以下 |
|
| 稀発月経 | 生理周期が39日以上 |
|
特に注意が必要なのは、稀発月経の主な原因である「多のう胞性卵巣症候群(PCOS)」です。これは不妊の原因となるだけでなく、子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクを高める可能性もあることが指摘されています。また、頻発月経で考えられる子宮筋腫や子宮がんなど、器質的な異常による出血を見逃さないことも重要です。
生活習慣の乱れも一因に
病気だけでなく、現代女性に多い生活習慣も生理不順を引き起こす大きな要因です。過度なストレス、睡眠不足、極端なダイエットによる栄養不足、激しい運動などは、ホルモンの分泌を司る脳の視床下部に影響を与え、排卵を抑制したり、ホルモンバランスを乱したりします。
- 慢性的な睡眠不足
- 過度な精神的・身体的ストレス
- 栄養バランスの偏った食事や極端なダイエット
- 過度な運動
これらの生活習慣が原因の場合、まずはご自身の生活を見直し、十分な睡眠やバランスの良い食事、適度な運動、ストレスケアを心がけることで、生理周期が整うことも期待できます。しかし、生活習慣を改善しても症状が続く場合は、先に述べたような病気が隠れている可能性があるため、医療機関での相談が必要です。
専門家が推奨する受診の目安チェックリスト

生理不順を自覚していても、「今すぐ医師に相談すべきなのか」判断に迷うことは多いでしょう。クリニックフォアグループの調査では、多くの女性が「いつものこと」「我慢できる」と自己判断して受診を先延ばしにしている実態が明らかになりました。しかし、生理不順の裏には治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。クリニックフォア監修医の山田光泰医師は、以下のような状態が続く場合には、一度婦人科の受診を検討することを推奨しています。
以下の項目に1つでもあてはまる場合は、婦人科への相談がすすめられます。
- 生理周期が39日以上、または24日以下の状態が3か月以上続いている
- 生理が3か月以上来ていない
- 生理周期のばらつきが大きく、8日から10日以上ある
- 妊娠を希望しているが、生理不順が続いている
このような症状が続く場合は要注意
一時的なストレスや体調不良で生理周期が数日ズレることはあり得ます。しかし、上記チェックリストにあるような明確な基準を超えた乱れが数か月も続く場合は、単なる生活習慣の乱れではなく、排卵障害や子宮・卵巣の病気が原因となっている可能性が高まります。特に、「生理が3か月以上来ない」という無月経の状態は、ホルモンバランスの大きな乱れを示す重要なサインです。
妊娠を希望している場合の注意点
将来の妊娠を考えている方にとって、生理不順は特に注意が必要なサインです。規則正しい排卵がなければ妊娠は難しいため、生理周期の乱れは不妊の原因となることがあります。妊娠希望がある場合は、上記のチェックリストに該当しなくても、気になる周期の乱れがあれば早めに相談することが、将来の選択肢を広げるために有効です。
「いつものことだから」「我慢できるから」と自己判断して放置せず、生理不順が続く場合は、一度婦人科へ相談することをおすすめします。
生理不順の改善方法と治療の選択肢
生理不順の改善には、まず原因に合わせたアプローチが大切です。ストレスや不規則な生活習慣が影響しているケースでは、セルフケアで周期が整う可能性があります。一方、生活習慣を見直しても改善がみられない場合や、不順が長期間続く場合は、婦人科を受診して原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
まずは生活習慣の見直しから
睡眠不足や過度なストレス、激しい運動、栄養バランスの偏りなどは、ホルモンバランスを乱す原因となります。これらが原因で生理不順が生じている場合は、以下のポイントから生活習慣を見直すことで、周期が整うことが期待できます。
- 十分な睡眠をとり、体を休める
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 適度な運動を取り入れる
- ストレスをため込まないようにする
特に、ダイエットなどで極端に栄養摂取を制限することは、生理が止まる原因にもなりかねません。自分の体に無理のない範囲で、健康的な生活リズムを築くことが第一歩です。
医療機関で行われる主な治療
生活習慣の改善だけでは解決しない場合や、検査によって何らかの病気が原因と判明した場合は、医療機関での治療が必要になります。クリニックフォアグループの監修医は、治療方針は一人ひとりの症状やライフステージ、妊娠を希望するかどうかによっても異なると説明しています。主な治療方法は以下の通りです。
- ホルモン療法:ホルモンバランスの乱れを整えるための治療です。
- 原因疾患の治療:多のう胞性卵巣症候群(PCOS)や子宮筋腫など、特定の病気が原因の場合は、その病気に対する治療を行います。
- 低用量ピルの処方:生理周期を整え、毎月のコンディションを安定させる目的で処方されることがあります。継続して服用する必要があるため、定期的な通院が必要です。
治療方法や薬の処方は、医師による診察と診断に基づいて決定されます。効果や体への反応には個人差がありますので、医師の指示を守りながら治療を進めましょう。
また、忙しい人でも治療を続けやすいよう、一部の医療機関ではオンライン診療を活用できます。診療予約から処方薬の配送までをスマートフォンで完結できるサービスを提供しているところもあり、生活スタイルに合わせた選択肢が広がっています。
よくある質問
- 低用量ピルは誰でも飲めますか?
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低用量ピルは医師の処方箋が必要な薬です。持病がある方や特定の薬を服用中の方、喫煙習慣のある方などは、処方できない場合があります。必ず医師の診察を受け、適切かどうかを判断してもらいましょう。
- 生理不順が改善するまで、生活習慣の見直しはどれくらい続ければいいですか?
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生活習慣の見直しによる効果には個人差があります。一般的に、3か月程度続けて様子を見ることがひとつの目安とされています。しかし、改善が全く見られない場合や、症状が悪化する場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。
- 妊娠を希望しています。生理不順があると妊娠しにくいのでしょうか?
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生理不順は排卵がうまく行われていない可能性を示すサインの一つです。そのため、妊娠を希望する方にとっては、タイミングが取りづらい、あるいは排卵自体が起こりにくい状態にあるかもしれません。早めに婦人科を受診し、原因を調べ、必要に応じた治療やアドバイスを受けることが大切です。
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