2026年7月28日、医療法人社団雄秀会が運営する「GYNメディカルグループ」は、交際中の20代〜30代女性1034名を対象とした「低用量ピル服用におけるパートナーとのコミュニケーションに関する調査」の結果を発表しました。その結果、低用量ピルを服用している女性の約3人に1人が、パートナーに服用を伝える際に心理的ハードルを感じていることなど、コミュニケーション上の課題が明らかとなりました。本記事では、この調査結果から見える低用量ピルの服用実態と目的について、詳しく解説していきます。
調査結果から見える低用量ピルの服用実態と目的

交際中の20代〜30代女性の3割以上が服用、主な目的はPMS症状の緩和と月経周期の安定
調査によると、交際中の20代〜30代女性のうち、低用量ピルを「服用している」と回答したのは全体の31.9%に上りました。これは、約3人に1人の割合で低用量ピルが利用されていることを示しています。背景には、月経に伴う心身の不調をセルフケアする手段として、また、より自律的にライフプランをデザインするための選択肢として、低用量ピルが認識され始めていることが考えられます。
- 低用量ピル服用者の目的1位:「PMS(月経前症候群)の症状緩和」(55.2%)
- 目的2位:「月経周期を安定させるため」(44.5%)
- 目的3位:「望まない妊娠を防ぐため」(30.9%)
服用目的を詳しく見ると、最も多かったのは「PMS(月経前症候群)の症状緩和のため」で、服用者の55.2%が選択しました。次いで「月経周期を安定させるため」(44.5%)が続き、従来よく知られる「望まない妊娠を防ぐため」(30.9%)という目的を上回る結果となりました。このデータは、現代の女性たちが低用量ピルを主に月経に伴う心身の揺らぎを整えるためのツールとして捉えている傾向を強く示唆しています。
パートナーへの伝達と心理的なハードル

パートナーへの服用の伝え方をめぐって、女性たちは複雑な感情を抱えていることが調査から明らかになりました。低用量ピルを服用している交際中の女性の91.8%は、パートナーに服用を伝えた経験があるものの、その一方で約3人に1人(32.8%)が「伝える際に心理的ハードルを感じている」と答えています。多くのカップルでは話題には上っているものの、そこには依然として不安や葛藤が付きまとっている現状が浮き彫りになりました。
低用量ピル服用中の交際中の女性のうち、
・91.8%がパートナーに服用を伝えた経験あり
・約3人に1人(32.8%)が伝える際に心理的ハードルを感じている
この心理的ハードルを感じる主な理由として、上位に挙がったのは次の二つです。
- 避妊を女性任せにされる懸念があるため(37.0%)
- ピルに対する偏見があると感じるため(33.3%)
また、「生理や婦人科系の話題を共有することに抵抗があるため」(30.6%)という回答も約3割に上りました。低用量ピルは女性の健康管理や生活の質を向上させるための選択肢の一つですが、伝える相手が一番身近なパートナーであっても、避妊責任の偏りや、誤解・偏見を恐れる気持ちが伝達の障壁になっていることがわかります。これは、ピルが単なる「避妊薬」ではなく、PMS緩和や月経周期の調整など多様な目的で服用されているという認識が、社会やパートナー間に十分に浸透していない現状を反映していると考えられるでしょう。
服用女性がパートナーに求める理解とは
調査からは、低用量ピルを服用する女性たちがパートナーに対して抱く、切実な願いが明らかとなりました。心理的なハードルを乗り越えて服用を伝えても、そこにはより深い理解を求める思いがあるのです。女性たちは、単に「飲んでいる」という事実を知ってほしいだけではなく、その背景や意味についても共感を求めていることがわかります。
半数以上が「避妊だけではない」という正しい知識を望む
調査の中で、「低用量ピルの服用に関して、パートナーにどのような理解を深めてほしいと思うか」と尋ねたところ、最も多かった回答は「ピルは避妊目的だけではないという正しい知識」で、実に51.2%にのぼりました。これは、服用女性の半数以上が、依然として根強い「ピル=避妊薬」という偏ったイメージを払拭し、治療や健康管理のための選択肢であるという認識を共有してほしいと願っていることを示しています。
- 「ピルは避妊目的だけではないという正しい知識」を理解してほしい: 51.2%
- 「月経による日常生活への影響への理解」を深めてほしい: 42.4%
- 「通院や処方にかかる費用負担への理解」を深めてほしい: 37.3%
次いで多かったのは「月経による日常生活への影響への理解」(42.4%)、そして「通院や処方にかかる費用負担への理解」(37.3%)でした。これらは、PMS(月経前症候群)の緩和や月経周期の安定を主な目的とする女性が多いという調査結果とも符合します。女性たちは、目に見えない体調の変化や、それを管理するために必要な継続的な通院と経済的コストについて、パートナーに気づき、理解を得たいと考えているのです。
この結果は、単に情報を伝えるだけでは不十分で、パートナーとの間にあるヘルスケアに関する知識ギャップや認識の違いを埋めるコミュニケーションが、女性の心理的負担を軽減する上で重要であることを浮き彫りにしています。正しい知識を共有することは、お互いの関係性を深める一歩にもなります。
低用量ピルはなぜ「避妊薬」だけのイメージが強いのか

低用量ピルを服用する女性の多くが、パートナーに「避妊目的だけではない」という正しい知識を理解してほしいと願っている背景には、社会に根強く残る偏ったイメージがあります。このイメージの形成には、歴史的な経緯が大きく影響していると考えられます。低用量ピルは、もともと避妊を主目的として開発された医薬品であることから、その側面が先行して広く認知されたのです。
しかし、ホルモンバランスを安定させる作用は、避妊効果だけでなく、女性の心身の様々な不調にも有効であることが知られています。今回の調査でも服用目的の1位は「PMS(月経前症候群)の症状緩和」、2位は「月経周期を安定させるため」であり、「望まない妊娠を防ぐため」は3位でした。この結果は、多くの女性が自身の健康管理のために服用している現状を物語っています。
低用量ピルは、体内のホルモンバランスを整えることで排卵を抑制し、避妊効果をもたらします。同時に、ホルモンを安定させる作用が、月経前症候群(PMS)のイライラや頭痛、また月経困難症による強い生理痛などの症状緩和に役立つとされています。一つの薬剤が複数の効果を持つ多目的な医薬品であることが特徴です。
それにもかかわらず、日本では避妊目的での使用が広く知られる一方で、治療薬としての側面の認知はまだ十分に進んでいないのが現状です。この知識のギャップが、パートナーに服用を伝える際の心理的ハードルを生む一因となっている可能性があります。
パートナーとヘルスケアについて話し合うためのヒント

調査では、服用を伝えてもなお、多くの女性がパートナーに深い理解を求めていることがわかりました。しかし、「伝えること」と「理解してもらうこと」は別のステップです。正しい知識を共有し、お互いに納得のいくコミュニケーションを取るためには、少しの準備と工夫が役立ちます。ここでは、話し合いをスムーズに進めるためのヒントをご紹介します。
まずは、自分がなぜ低用量ピルを服用しているのか、その目的をはっきりさせましょう。調査でも、服用目的の上位は「PMSの症状緩和」や「月経周期の安定」でした。自分のために服用していることを自覚し、「体調を整えるため」など、自分にとっての具体的なメリットを言葉にできると、伝える際の軸ができます。
重要な話題だからこそ、お互いに余裕のある時間を選びましょう。食事の後など、リラックスしているときに、自分の気持ちを中心に話し始めるのがおすすめです。「最近、生理前の不調が楽になったんだ」など、体調の変化から切り出すと、自然な会話の流れになります。
調査で半数以上の女性が望んでいた「ピルは避妊目的だけではない」という正しい知識を、やさしい言葉で伝えてみましょう。例えば、「ホルモンのバランスを整えて、毎月のつらい症状を軽くするお薬なんだよ」と説明すると、理解が進みやすくなります。
どうしても伝えにくい、または理解が得られないと感じた場合、第三者の力を借りる方法があります。処方してくれた医師や薬剤師から、パートナーへ直接情報提供してもらうことも一つの手段です。また、婦人科専門のクリニックによっては、パートナーと一緒にカウンセリングを受けられる場合もあります。
話し合いは一回で完璧に終わらせようとしなくても大丈夫です。お互いの理解を少しずつ深めていくプロセスと考え、焦らずに向き合ってみましょう。
調査を実施したGYNメディカルグループについて
この調査を実施したのは、医療法人社団雄秀会が運営する婦人科専門のクリニックグループ「GYNメディカルグループ」です。同グループは、交際中の20代〜30代女性を対象とした「低用量ピル服用におけるパートナーとのコミュニケーションに関する調査」の結果を発表しました。
婦人科専門クリニックグループとしての取り組み
東京都内に池袋、渋谷、市ヶ谷の3院を展開する同グループは、月経困難症や子宮の病気、各種ピル処方、婦人科検診など、女性特有の健康課題に対応しています。特に低用量ピルの処方実績は豊富で、2025年実績では年間約14万シートにのぼる処方数を誇ります。膨大な数の女性の診療を通じて、社会的な偏見やパートナーとのコミュニケーションの難しさといった、服薬にまつわる心の悩みにも向き合ってきた背景があります。
- 婦人科診療に特化した3院を展開
- 低用量ピルの豊富な処方実績(年間約14万シート)
- 月経のお悩みから婦人科疾患まで幅広く対応
理事長・村上雄太医師のコメント
調査結果を受け、産婦人科専門医である理事長の村上雄太医師は、「低用量ピルに対する偏見や、パートナーとの知識ギャップといった女性の悩みが明らかになった」と本調査の意義を述べています。同医師は、日本の教育現場では十分に教えられていない正しい医療情報を発信する啓蒙活動に注力しており、今回の調査もその一環と位置づけられます。
グループでは、女性が自律的に健康をコントロールできる環境の提供を目指しており、多様な悩みに寄り添う診療体制を整えています。この調査は、単なるデータの収集だけでなく、女性たちの声なき声を可視化し、パートナー間の理解を深める一助となることを意図して実施されたものです。
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