2026年8月4日、医療法人社団青真会 青山エルクリニックは、自己の皮膚組織を微細加工して頭皮に注入する新たな薄毛治療法「マイクログラフト薄毛療法(毛包皮膚組織移植法)」の提供を開始しました。この治療は、従来の育毛治療で効果を感じにくかった方にも新たな選択肢となる再生医療的アプローチとして注目を集めています。
マイクログラフト薄毛療法とは? その仕組みと特徴

マイクログラフト薄毛療法は、患者自身の健康な有毛部から約3mmの皮膚組織を採取し、特殊技術で微細加工した細胞組織を頭皮に注入する治療法です。添加物を一切使用せず自己の細胞のみを用いるため、アレルギー反応や異物反応のリスクが低いことが大きな特徴です。
後頭部などの有毛部から採取した皮膚組織を微細加工し、その組織を薄毛が気になる頭皮全体に注入します。自己組織を用いることで、頭皮環境の改善や毛包の活性化が期待できると考えられています。
従来の治療との違いは?
従来の育毛治療との大きな違いは、基本的に1回の施術で効果判定が可能な点です。また、薬剤等の添加物を使わない自家細胞治療のため、副作用の懸念が比較的少ないアプローチと言えるでしょう。既に提供されているPRP育毛治療との併用も可能であり、併用する場合はマイクログラフト施術の1週間後から開始できます。
どのような人が対象となるのか
この治療法は、男性型脱毛症、女性型脱毛症、びまん性脱毛症、若年性脱毛症、加齢による薄毛症状など、幅広い症状に対応しています。特に、これまでの育毛治療で十分な効果を感じられなかった方に対して、新たな選択肢として期待されています。
具体的な治療の流れと期間・費用

マイクログラフト薄毛療法を検討する際に気になるのが、具体的な施術の流れと費用です。この治療は、基本的に1回の施術で効果判定が可能という点が大きな特徴であり、治療後の経過観察期間も含めて理解しておくことが重要です。
施術のステップ
まず、皮膚を採取する部位に局所麻酔を行います。その後、後頭部などの健康な有毛部から、約3mmの小さな皮膚組織を採取し、縫合します。
採取した自己の皮膚組織を特殊な技術で微細加工し、頭皮へ注入するための「マイクログラフト注入液」を作製します。添加物は使用しません。
作製した注入液を、治療対象となる頭皮全体に注入していきます。これは植毛手術とは異なる、注射による治療です。
施術から1週間後に、皮膚組織を採取した部位の抜糸を行います。その後、効果が現れるまで3か月から6か月程度の経過観察期間を要します。
施術前に、感染症の有無を確認するための血液検査が別途必要となります。また、治療部位に一時的な腫れや内出血が生じる場合がありますが、通常は数日から1週間程度で改善するとされています。
費用の内訳と注意点
| 項目 | 金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| マイクログラフト薄毛療法(通常) | 550,000円 | 1回の治療料金 |
| マイクログラフト薄毛療法(モニター) | 330,000円 | 個人を特定できない配慮あり |
| 事前血液検査 | 11,000円 | 治療前に必須 |
| ブロック麻酔 | 5,500円 | 希望者のみ |
| 初診料 | 3,300円 | – |
この治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。表記の金額はすべて自己負担となります。モニター料金は、個人が特定されない形での情報提供が条件となる場合があります。
効果が現れるまでの期間には個人差があり、早い方では施術から2週間程度で毛髪の立ち上がりやしなやかさの変化を感じることもあるとされています。しかし、本格的な効果判定には3か月から6か月の期間を要します。また、治療部位に毛髪がほとんど存在しない場合は、効果が得られにくい可能性がある点にも留意が必要です。
- 治療前の血液検査が必須です(別途費用11,000円)。
- 基本的に1回の治療で効果判定を行い、その後は1年に1回程度のメンテナンスが推奨される場合があります。
- PRP育毛治療との併用も可能で、マイクログラフト施術の1週間後から開始できます。
この治療法のメリットと、知っておきたい留意点

マイクログラフト薄毛療法の大きな魅力は、自己の細胞のみを用いる高い安全性と、従来の治療で効果を感じにくかった方にも対応できる可能性にあります。ただし、全ての方に適応するわけではなく、注意すべき点もあります。メリットと留意点を整理して理解しましょう。
安全性と期待される効果
治療の最大の特徴は、患者自身の皮膚組織のみを使用するため、添加物や用途外の製剤を一切含みません。このため、アレルギー反応や異物反応のリスクが低く、安全性の高い治療法と言えます。また、注入された細胞組織が頭皮環境そのものを改善する作用が期待されており、単に毛髪を増やすだけでなく、育毛効果の持続性にも寄与する可能性があります。
- 自己の細胞のみを使用するため、アレルギー反応や異物反応のリスクが低い。
- 頭皮環境の改善が期待され、育毛効果の持続に寄与する可能性がある。
- 早い方では施術後2週間で、毛髪の立ち上がりやしなやかさの向上を実感するケースもある。
- PRP育毛治療との併用も可能(マイクログラフト施術1週間後より)。従来の治療で効果を感じにくかった方にも新たな選択肢となる。
治療を受けられない場合と副作用
一方で、全ての薄毛症状に万能なわけではなく、知っておくべき制約やリスクもあります。最も重要なのは、治療を希望する部位に毛髪がほとんど存在しない場合、効果が出にくい可能性がある点です。これは植毛治療とは異なり、既存の毛包環境を活性化させるアプローチであるためです。
- 妊娠中、授乳中、妊活中の方
- 悪性腫瘍、自己免疫疾患、膠原病、血液疾患、心臓病などの基礎疾患をお持ちの方
- ヒトインスリン過敏症の既往がある方
- 事前の感染症血液検査で陽性反応が出た方(別途検査費用が必要)
- その他、医師が不適当と判断した場合
また、施術に伴う一時的な副作用として、皮膚を採取した部位(主に後頭部)や注入した頭皮に、腫れや内出血が生じる可能性があります。これらは通常、数日から1週間程度で改善するとされています。
| メリット | 留意点 |
|---|---|
| 自己細胞使用による高い安全性 | 治療部位に毛髪が少ないと効果が出にくい |
| 頭皮環境の改善が期待できる | 皮膚採取部・注入部の一時的な腫れ・内出血 |
| PRP治療など他治療との併用が可能 | 妊娠中や特定の疾患がある方は治療不可 |
| 1回の施術で効果判定が可能 | 自由診療のため全額自己負担 |
再生医療的アプローチとしての位置づけと今後の可能性
マイクログラフト薄毛療法は、自己の皮膚組織を加工して注入する「再生医療的アプローチ」として、既存の薄毛治療とは異なる位置づけにあります。この治療の背景には、長年にわたる自家細胞を用いた治療の経験があります。院長のコメントから、その意義と今後の選択肢としての可能性を考えてみましょう。
院長コメントから読み解く治療の背景
この治療を導入した青山エルクリニックでは、再生医療としてのPRP育毛治療を10年以上前から提供してきました。その経験から、自家細胞を用いた頭皮環境の改善や毛包の活性化の有用性を強く感じていたといいます。今回の新しい治療法は、そうした知見の延長線上にあるものです。
患者様自身の皮膚組織を微細加工して頭皮へ注入する再生医療的アプローチであり、1回の治療で効果判定が可能な点が大きな特徴です。従来の育毛治療で十分な効果を得られなかった方にも、新たな選択肢として期待できる治療だと考えています。
このコメントが示すのは、「従来の治療で効果を感じにくかった人への新たな選択肢」という位置づけです。薄毛治療は、内服薬や外用薬で十分な効果が得られる人もいれば、そうでない人もいます。個人差が大きい領域だからこそ、異なる作用機序を持つ治療法の選択肢が増えることは、治療を模索する多くの人にとって朗報といえるでしょう。
薄毛治療の選択肢としてどう考えるか
薄毛治療の分野は、内服薬、外用薬、植毛手術など、様々な方法が発展しています。近年では、このマイクログラフト薄毛療法のように再生医療の考え方を応用したアプローチも注目を集めています。
大切なのは、自分自身の状態と治療の特徴を照らし合わせて、最適な選択をすることです。たとえば、この治療は治療エリアに毛髪がほとんどない場合には効果が期待しにくいとされています。また、他の治療との併用の可能性や、費用対効果、施術の頻度など、総合的に判断する必要があります。
新しい治療法が登場した時、それが全ての人にとっての「ベスト」であることは稀です。むしろ、治療の選択肢が増えることで、より個々人の状態や希望に沿ったオーダーメイド的な治療計画が立てやすくなる可能性があります。内服や外用で経過を見ながら、あるいは植毛手術と組み合わせるなど、複数の選択肢を組み合わせることも視野に入れるとよいでしょう。
いずれにせよ、新しい治療法を検討する際は、その適応条件や期待できる効果の範囲、費用やリスクについて、専門の医師と十分に相談することが不可欠です。再生医療的アプローチは、薄毛治療の可能性を広げる一つの選択肢として、その進展に期待が寄せられています。
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